抗がん剤による薬物療法は、外科治療や放射線治療と並び、がん治療の3本柱の一つです。
外科治療と放射線治療は、早期がんや局所進行性がんなど局所的な治療に向きます。
これに対して薬物療法は、一点を起こしているがん、つまり全身に対する治療です。
抗がん剤の歴史は60年余と長くはありませんが、この間、代謝拮抗剤や白金化合物など、数多く開発されました。
抗がん剤は、手術の前後で補助的に投与する方法もあります。
乳がん、大腸がん、非小細胞肺がん、胃がんでは、この補助的化学療法が確立しています。
抗がん剤による延命や生活の質の向上も、肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、卵巣がんなどで認められています。
大腸がんでは、90年代に12カ月だった延命効果が、薬の開発が進んだ。2006年には、約2倍の25カ月に伸びました。
抗がん剤は、効果が出る投与量と副作用が出る量の差が小さく、使い方が難しいのですが、吐き気などの副作用を抑える薬剤も出て、
大きく進歩しています。
21世紀の抗がん剤は、正常細胞をも殺す薬から、がん細胞を無制限に増殖させる分子を抑える。分子標的薬が中心になっています。
今後は、薬物療法を入院しなくても受けられる。外来治療のシステムが広がり、生活の質を高める治療になるでしょう。